M&Aの知識コラム三村のコラム

後悔しないM&Aの専門家の選び方~買い手(譲受企業)編~【M&Aの知識/三村のコラム】

投稿日:2020年10月29日(木曜日)

コロナ禍でここ何ヶ月か落ち着いた日々を送っていたのですが、10月に入って急に慌ただしくなっています。
買い手側アドバイザーとして複数案件のお手伝いをしているのですが、コロナ禍で中断していた案件が一斉に動き出したためです。

コロナ禍の影響を見定めるために中断していたのですが、いつかは再開or中止の判断をしなければなりません。
どうやら皆様その判断をしたのが9月末だったようです。
やはり、半期末や年度末は一つの区切りとなるのでしょうね。
そういえば、私は例年4月から急に忙しくなることが多いのですが、これも同じような理由なのかもしれません。
余談ですが、私がお手伝いしている案件は全て再開となり、中止すなわちブレークした案件がなかったので一安心しています。

いずれの案件も買い手(弊社がアドバイザーとしてお手伝い)は、香川県や岡山県に本社のある優良企業で、首都圏や近畿圏すなわち大都市圏の後継者不在企業を譲り受けようとしています。
地方でもM&Aが一般的になってきたのか、最近はお客様の方から「後継者のいない取引先を譲り受けたい」とか「首都圏の会社を譲り受けて東京進出したい」などの買収相談が増えました。

前回のコラムでは、譲渡企業側(売り手側)の視点でM&A専門家の選び方について書きましたが、今回は、譲受企業側(買い手側)の視点でM&Aの専門家の選び方について書きます。

 

譲受企業(買い手)が関わるM&Aの専門家について

①仲介者

②譲受企業側(買い手側)アドバイザー

③買収監査(DD:デューデリジェンス)を実施する専門家

④セカンド・オピニオンを実施する専門家

M&Aの専門家の属性や特徴、どのように取引に関わるか

①仲介者
譲渡希望企業(売り手)の情報を譲受企業(買い手)に持ち込んだ、M&A仲介会社や金融機関が仲介者となることが多いです。
売り手と買い手の間に立って両者の利害を調整し、M&Aの成約に向けて取引全般をサポートします。

ただし、仲介者は中立の立場にあるため、買い手側の立場で行う買収監査(DD:デューデリジェンス)などを実施することはありません。

仲介者は中立の立場であるものの、「中立と言いながら、本当は売り手側の味方ではないのか?」と買い手が不信感を抱くという話は、セカンド・オピニオンやDDで弊社が買い手側のお手伝いをする際によく耳にします。

②譲受企業側(買い手側)アドバイザー
譲渡希望企業(売り手)の情報を譲受企業(買い手)に持ち込んだM&A専門会社や金融機関が、買い手側アドバイザーとなることが多いです。
買い手側の代理人として、売り手側(売り手企業や売り手側アドバイザー)と交渉したり、買い手側の利益を優先したアドバイスを行います。

買い手企業と過去にM&A取引の実績があるM&A専門会社や金融機関であれば、安心してアドバイザーを任せることも可能でしょうが、初めてアドバイザーを任せる場合は、「本当に買い手側の利益を優先してくれているのか?」と不安になるという話をよく聞きます。
特に、金融機関系のアドバイザーの場合は「融資をしたいために無理に買わせようとしているのでは!?」と不安に思うようです。

一方、売り手を買い手自身で見つけてきた場合には、M&A専門会社でも金融機関でも会計士でも、買い手自身で好きなアドバイザーを選ぶことができます。

買い手側アドバイザーは、仲介者とは違い買い手側の立場であるため、買収監査(DD:デューデリジェンス)を実施することができます。
ただ、M&AのDDは、財務DDを中心に法務、労務など幅広い知識と専門性が求められるため、DD業務を実施しないアドバイザーも比較的多く見受けられます。

買い手側アドバイザーがDD業務を実施しない場合には、買い手自身でM&AのDDの経験が豊富なM&Aアドバイザーや会計士、弁護士などを探さなければなりません。勿論、DD費用は別途発生します。

③買収監査(DD:デューデリジェンス)を実施する専門家
M&AのDDは、財務、法務、労務、ビジネスなど幅広い分野で行います。
M&A専門会社、会計士、弁護士などが実施します。

上場会社など大企業のDDの場合は、財務DDを会計士、法務DDを弁護士、労務DDを社会保険労務士や弁護士、ビジネスDDを業界専門コンサルタントなど、各専門家が各分野のDDをそれぞれ実施するのですが、中小零細企業のDDで大企業と同じことを行うのは、費用や手間を考えると難しいでしょう。

また、中小零細企業のM&Aに関するDD経験が豊富な専門家はまだまだ少なく、地方ではほとんどいないのが現状ですが、M&A専門会社がDD業務を行っている場合は、財務DDに加えて簡易に法務・労務・ビジネスDDを含む対応をしていることもあります。

例えば、当社では財務DDを中心に簡易に法務・労務・ビジネスDDを含んで対応していますが、重要取引先との契約内容が複雑で法務リスクが高いと判断した場合は会社法に強い弁護士による法務DDの別途実施を提案したり、雇用契約が複雑な場合は労働関連法に強い弁護士や社会保険労務士による労務DDの別途実施を提案するなど、案件毎にリスクの大きさを勘案して対応しています。

④セカンド・オピニオンを実施する専門家
M&Aでセカンド・オピニオンとは耳慣れないかもしれませんが、最近はM&Aにおけるセカンド・オピニオンの重要性が高まっており、2020年3月に経済産業省が策定した「中小M&Aガイドライン」にもセカンド・オピニオンの重要性について触れられています。

以前のコラムで中小M&Aガイドラインやその必要性について書いていますので、参考にしていただければと思います。

M&Aのセカンド・オピニオンを行っている専門家は少ないですが、M&A取引の経験豊かな一部のM&Aアドバイザーや会計士などが対応しています。

初めてのM&A仲介会社や、利害関係のある金融機関からの持ち込み案件がいまいち信用できないという声はよく聞かれます。
そのような場合には、利害関係のない第三者でM&A取引の経験が豊かなM&Aの専門家のセカンド・オピニオンを取り入れることで、不安が解消される可能性もあります。

 

まとめ

M&A仲介会社や金融機関からの持ち込み案件など、買い手自身がアドバイザーを選ぶことができない場合も多々ありますが、DDやセカンド・オピニオンで信頼できる経験豊富なM&Aの専門家を選び、後悔しないM&A取引を行いたいものです。

最後に営業トークとなりますが、みどり未来パートナーズのセカンド・オピニオンは、Web面談で全国の案件に対応しています。
進めているM&A案件で不安があればお気軽にご相談いただければと思います。

この記事の執筆者

三村 尚(情報開発部長 M&Aシニアエキスパート)

横浜国立大学卒。金融機関(法人営業)、調査会社(調査、営業)を経て、2012年から現職。多種多様な業種において、延べ2,000社の企業評価を実施。中小零細企業の後継者不在案件を中心に50件超のM&Aを支援。

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