M&Aの知識コラム三村のコラム

【コラム/M&Aの知識/三村のコラム】M&Aにもセカンド・オピニオンが必要!

前回のコラムで少し触れたM&Aのセカンドオピニオンについて書きたいと思います。

前回のコラム→【コラム/M&Aの知識】経済産業省が作った中小M&Aガイドラインって何?

セカンドオピニオンは、より良い判断をするために当事者以外の専門家に求める意見のことで、日本では医療分野で使われることが多い言葉です。
医療とM&Aで共通するのは、専門性が高いということ。あとは、失敗が許されないということ。三人寄れば文殊の知恵ではないですが、重要な決断には、色々な意見を聞くことが大切だと思います。

ただ、残念ながらM&A業界は、業界の歴史が浅いので、セカンドオピニオンを求めるに足る専門家が絶対的に不足しています。この数年は、M&A業界は活況でどんどんM&Aアドバイザーも増えていますが、要するに経験の浅いアドバイザーが大半ということ。
また、経験豊かなアドバイザーは、首都圏などの大都市に集中しており、地方の小さな案件を担当する可能性は低いと思われます。

私はM&A業界に入って8年(2020年現在)で30件超の取引をお手伝いしてきたのですが、私くらいのキャリアでも中小零細企業のM&A業界においては、中堅以上のキャリアとなるようで、特に地方都市(私は香川県が拠点)でM&A専門アドバイザーとなると珍しい存在です。

そのような背景もあって、地方にいながらも最近ではセカンドオピニオンの要望が非常に多くなっています。また、大手M&A仲介会社や金融機関から買い手企業にM&A案件が持ち込まれることも増えているのですが、以下のような理由でセカンドオピニオンを依頼されます。

  • 仲介会社は、仲介と言いながら売り手サイドの意向が強いのでは?
  • 仲介会社は、手数料を上げたいので買収金額を引き上げているのでは?
  • 仲介会社は、付き合いが浅くて信用しきれない。
  • 金融機関は、融資したい、手数料が欲しいので押し売りしているのではないか?
  • 仲介会社や金融機関の担当者が、明らかに経験不足と思われる。

中身のよく分からない高い買い物をする買い手企業の立場を考えると不安は容易に理解できます。

最近は、M&A取引後にトラブルになってから「担当アドバイザーに相談しても取引後は取り合ってくれない、どうしよう?」と売買の当事者から相談されることが増えました。中身を聞けば、トラブルになるくらいなので契約書も中途半端ですし、アドバイザーからの説明も不足していることが多々あります。

知った仲なのになんで取引する前になんで相談してくれなかったの、という感じですが、担当アドバイザーに「守秘義務があるから誰にも相談してはいけない」と言われたというのがお決まりのパターンです。担当アドバイザーも責任をもってトラブルにならないようにやれば良いのにと思いますし、相談されるとマズイ何かがあったのかと勘ぐってしまいます。

秘密保持契約を締結すれば利害関係のない第三者にセカンドオピニオンを求めることは可能です。セカンドオピニオンを上手く利用して、トラブルにならないM&A取引を行って欲しいものです。

この記事の執筆者

三村 尚(情報開発部長 M&Aシニアエキスパート)

横浜国立大学卒。金融機関(法人営業)、調査会社(調査、営業)を経て、2012年から現職。多種多様な業種において、延べ2,000社の企業評価を実施。中小零細企業の後継者不在案件を中心に50件超のM&Aを支援。