M&Aの知識コラム事業拡大後継者問題譲受企業様(買収検討企業様)向け

なぜ今検討すべきなのか?自動車整備業界でM&Aが活発化している理由と重要チェックポイントをご案内します

投稿日:2023年5月9日 最終更新日:
自動車整備業界の動向、課題

自動車整備業界の令和5年度の市場規模は5兆9,072億円で、最近の10年は微増で推移しています。
市場は車検、定期点検需要に支えられ、安定しています。

また、全体の事業場数は近年減少傾向でしたが、令和5年1月の発表で7年ぶりに増加しました。

では、事業場数増減の内訳はどのようになっているでしょうか。

整備事業場数 10年前との比較

平成25年度 令和5年度 増減
専業(街の整備工場)
56,948
56,620
▲320
兼業(ガソリンスタンドやカー用品店など)
15,294
15,554
+260
ディーラー
16,033
16,173
140

参照:「令和5年度 自動車特定整備業実態調査結果の概要について」一般社団法人 日本自動車整備振興会連合会 

専業である街の整備工場は廃業が増え、事業場数は減少しています。
以下の原因が考えられます。

① 後継者不在や経営者の高齢化
帝国データバンクの調査によると、自動車整備業の2023年の後継者不在率は59.7%にも上り、廃業を余儀なくされる経営者様が増加しています。
経営者年齢も全国的に上昇しており、平均は62歳です。

② 先行不安による廃業
人口減少、車離れによって、整備売上を支えてきた車検や定期点検の需要が低下していくことが予想されています。
また、ディーラーやカー用品店は知名度・ブランド力を武器にシェアを拡大しており、顧客獲得競争は激化しています。

③ 設備や人への投資
電気自動車の進歩・普及に伴い、新たな設備や技術、人材への投資が必要な時代になっています。
街の整備工場では自社単体での対応が難しく、廃業を選択される事業者様が増加しています。

自動車整備業界でM&Aが増加している理由

自動車整備業界ではM&Aが活発化しています。
以下のことが増加している理由と考えられます。

① 後継者不在
前項でもご紹介させていただいたように、自動車整備業界での後継者不在率は59.7%と非常に高くなっています。
また先行不安のなか「親族や従業員に継がせて大変な思いをさせたくない」と考えられる経営者様も増えています。

① 後継者不在
前項でもご紹介させていただいたように、自動車整備業界での後継者不在率は59.7%と非常に高くなっています。
また先行不安のなか「親族や従業員に継がせて大変な思いをさせたくない」と考えられる経営者様も増えています。

② 企業生き残り戦略として
設備投資や人材採用・教育など、自社だけでは解決が難しい課題解決のため、大手のグループに入ることによる課題解決、企業の存続・成長を狙って売却を検討する事業者様が増えています。

② 企業生き残り戦略として
設備投資や人材採用・教育など、自社だけでは解決が難しい課題解決のため、大手のグループに入ることによる課題解決、企業の存続・成長を狙って売却を検討する企業が増えています。

③ お相手が見つかりやすい市場環境
整備士確保や整備拠点獲得のため、同業者で買収を検討されている事業者様は多い状況です。
それに加え、自動車販売、自動車部品・用品卸小売、物流会社など隣接異業種の企業が、多角化や整備内製化のため積極的に買収を検討されており、広くお相手候補を探索できる状況になっています。

③ お相手が見つかりやすい市場環境
整備士確保や整備拠点獲得のため、同業者で買収を検討されている事業者様は多い状況です。
それに加え、自動車販売、自動車部品・用品卸小売、物流会社など隣接異業種の企業が、多角化や整備内製化のため積極的に買収を検討されており、広くお相手候補を探索できる状況になっています。

自動車整備業界の重要チェックポイント
買い手企業からみた重要チェックポイント

①新規参入の場合
・運輸局からの認可があるか
・国家資格である整備士資格を保有しているか
・資格者が高齢かどうか
譲受後、事業を継続できるかどうかのチェックが重要です。

②同業種で「従業員獲得」や「拠点獲得」という戦略を持っている場合
・従業員に技術をきちんと承継しているか
・拠点や設備が老朽化していないか

譲受後に想定される相乗効果を生めるか、想定外の費用がかからないかを事前に把握しておくことが重要です。

会社の状況やお相手候補によって考え方は異なるので、信頼できるアドバイザーに相談することが大切です。

自動車整備会社の譲渡事例

① 売り手:自動車整備業 × 買い手:自動車販売業
株式譲渡を行い、売り手企業様は買い手企業様の子会社として存続しています。
売り手企業様の顧客対応力、整備技術と、買い手企業様の販売網による相乗効果で相互事業の強化を図る目的でM&Aが実施されました。

② 売り手:自動車整備業 × 買い手:物流業
こちらも株式譲渡を行い、売り手企業様は買い手企業様の子会社として存続しています。
売り手企業様は事業承継を成功させ、売上高も拡大し会社の成長・発展を実現できました。
買い手企業様は物流事業の安全品質を向上させ、さらなる事業拡大を図っています。

まとめ

いかがでしょうか。
M&Aは結婚と同じで、実現には時間がかかります。
ご検討は早ければ早いほど良いため、信頼できるアドバイザーに早く相談することが大切です。
皆様の成功するM&Aを実現するために弊社も尽力しています。

 

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