前々回のコラム:STEP1「ビジョン/成功イメージの醸成」
前回のコラム :STEP2「現状把握」、STEP3「事前準備」
M&Aには成功の方程式があると私は考えています。
今回はM&Aにおける「やり方」についてより詳細にご案内させて頂きます。
一生に一度しかないM&Aを成功に導くための方程式についてぜひ御確認頂けますと幸いです。
M&A譲渡成功の方程式
M&A譲渡成功の方程式
- 人は、「何のために」という使命が必要
- 「現状把握」なくして価値向上無
- 「事前準備」で必ず勝つ
- 「アドバイザー」は
成功の鍵
- 「候補先」は自ら選ぶ
- 「最終契約」に失敗しない
- 「成功」を手に入れる譲渡後の対応(PMI)
M&A譲渡成功の7つのステップ
STEP1
ビジョン/成功イメージの醸成
STEP2
現状把握
STEP3
事前準備
STEP4
アドバイザー選定
STEP5
候補先選定
STEP6
譲渡条件、最終契約の決定
STEP7
譲渡後の
関わり方(PMI)
M&A譲渡成功の方程式
- 人は「何のために」という使命が必要
- 「現状把握」なくして価値向上無
- 「事前準備」で必ず勝つ
- 「アドバイザー」は成功の鍵
- 「候補先」は自ら選ぶ
- 「最終契約」がに失敗しない
- 「成功」を手に入れる譲渡後の対応(PMI)
M&A譲渡成功の7つのステップ
STEP1
ビジョン/成功イメージの醸成
STEP2
現状把握
STEP3
事前準備
STEP4
アドバイザー選定
STEP5
候補先選定
STEP6
譲渡条件、最終契約の決定
STEP7
譲渡後の関わり方(PMI)
M&A譲渡成功の方程式 STEP4.「アドバイザー選定」
四番目のステップとして「アドバイザーを選ぶ」ことが非常に重要になります。
M&Aアドバイザーの特徴
種別 | 大手M&A アドバイザー |
中小M&A アドバイザー |
地方金融機関 | 会計士・税理士 | プラット フォーマー |
---|---|---|---|---|---|
対応エリア | 全国 | 地方~広域 | 近隣 | 近隣 | 全国 |
得意な領域 | 5~100億円 | 1~20億円 | 1~20億円 | ~数億円 | 小規模 |
マッチング力 | ◎ | 〇 | △ | △ | △ |
料金 | △ 着手金必要 |
〇 | △~〇 着手金必要なケース有 |
〇 | ◎ |
対応力/質 | △~◎ | 〇 | 〇 | △ | △ |
特徴 | マッチング力が強い | 幅広いエリアに対応できる | 自行の取引先に強い影響力 | 税務面に非常に強い | 秘密保持の 懸念大 |
強み | 圧倒的な 資本力 |
きめ細かい 対応が可能 |
地元密着 | 地元密着 | 小規模案件可能データ活用 |
弱み | 小規模案件NG | 大規模案件/ 複雑案件苦手 |
バンクロック | M&Aの専門知識が不足 | 相対のフォローができない |
対応エリア | |
大手M&A アドバイザー |
全国 |
---|---|
中小M&A アドバイザー |
地方~広域 |
地方金融機関 | 近隣 |
会計士・ 税理士 |
近隣 |
プラット フォーマー |
全国 |
得意な領域 | |
大手M&A アドバイザー |
5~100億円 |
---|---|
中小M&A アドバイザー |
1~20億円 |
地方金融機関 | 1~20億円 |
会計士・ 税理士 |
~数億円 |
プラット フォーマー |
小規模 |
マッチング力 | |
大手M&A アドバイザー |
◎ |
---|---|
中小M&A アドバイザー |
〇 |
地方金融機関 | △ |
会計士・ 税理士 |
△ |
プラット フォーマー |
△ |
料金 | |
大手M&A アドバイザー |
△ (着手金必要) |
---|---|
中小M&A アドバイザー |
〇 |
地方金融機関 | △~〇 (着手金必要なケース有) |
会計士・ 税理士 |
〇 |
プラット フォーマー |
◎ |
対応力・質 | |
大手M&A アドバイザー |
△~◎ |
---|---|
中小M&A アドバイザー |
〇 |
地方金融機関 | 〇 |
会計士・ 税理士 |
△ |
プラット フォーマー |
△ |
特徴 | |
大手M&A アドバイザー |
マッチング力が強い |
---|---|
中小M&A アドバイザー |
幅広いエリアに対応できる |
地方金融機関 | 自行の取引先に強い影響力がある |
会計士・ 税理士 |
税務面に非常に強い |
プラット フォーマー |
秘密保持の懸念大 |
強み | |
大手M&A アドバイザー |
圧倒的な資本力 |
---|---|
中小M&A アドバイザー |
きめ細かい対応が可能 |
地方金融機関 | 地元密着 |
会計士・ 税理士 |
地元密着 |
プラット フォーマー |
小規模案件可能、データ活用 |
弱み | |
大手M&A アドバイザー |
小規模案件NG |
---|---|
中小M&A アドバイザー |
大規模案件/複雑案件苦手 |
地方金融機関 | バンクロック |
会計士・ 税理士 |
M&Aの専門知識が不足 |
プラット フォーマー |
相対でのフォローができない |
それぞれのアドバイザーが特徴を持ってM&Aのアドバイザーを行っていますが、私が一番重要に思っていることはM&Aアドバイザーとしての経験に加えて、アドバイザーが「企業価値や市場を本質的に理解できているか?」という点です。
例えば、ゴッホの絵の価値が分からない方にゴッホの絵を売ってくださいと依頼しても数億円にしかならないと思いますが、本来ゴッホのひまわりの絵は58億円になります。
その価値が分かるか、分からないかで価格は大幅に左右されます。
また、マンションが欲しい人にマンションを販売した場合と、一戸建てが欲しいと思っている人にマンションを販売した場合では前者の方が価格は高くなるはずです。
価格一つをとってもアドバイザーの腕に左右されます。
私がセミナーでよくお伝えしているのは、「アドバイザーは会社ではなく担当アドバイザーで決める」ことが重要だということです。
上場されているようなM&Aアドバイザー会社様であってもあまりM&Aの経験が多くない方もいらっしゃいます。
しっかりとご検討頂きアドバイザーを選択して頂きたいと思います。
M&A譲渡成功の方程式 STEP5.「候補者選定」
五番目のステップでM&Aの検討が進むと「マッチングリスト」と呼ばれるM&Aの候補先が複数記載されたリストがアドバイザーから提供されます。
ここで重要なポイントは3点です。
Point1.候補先別の特徴を掴む
下記の表の通り、候補先といっても多様な候補先があります。
候補先によって特徴がありますのでしっかりとその特徴を踏まえて可否をご判断下さい。
譲渡候補先 種類別の特徴
選択肢 | 主なメリット | 主なデメリット | 金額(対価)メリット | 成長可能性/ 将来性 | 取引先/従業員の引継 |
---|---|---|---|---|---|
同業他社 | ・譲渡後の運営がスムーズ ・相乗効果が見出しやすい ・従業員の安定 |
・交渉過程で情報流出の可能性有 ・金額について適正価格に落ち着きやすい |
△ | 〇 | ◎ |
オーナー系 事業会社 |
・迅速な意思決定が可能 | ・社風があうかどうか | 〇 | △ | 〇 |
上場企業 | ・譲渡後の継続的な発展が見込める | ・社内手続きに時間がかかる ・譲渡後に就業規則等ルールが厳格化される |
△ | 〇 | 〇 |
異業種 | ・新しい相乗効果が見込める | ・譲渡後、長期間のフォローが必要 ・経営のミスマッチが起きやすい |
〇 | △ | △ |
ファンド | ・精緻な株価評価が見込める | ・譲渡後の永続的な経営? ・経常利益3千万以上がコンスタンスに見込める案件でないと難しい |
〇 | ? | 〇 |
主なメリット | |
同業他社 | ・譲渡後の運営がスムーズ ・相乗効果が見出しやすい ・従業員の安定 |
---|---|
オーナー系 事業会社 |
・迅速な意思決定が可能 |
上場企業 | ・譲渡後の継続的な発展が見込める |
異業種 | ・新しい相乗効果が見込める |
ファンド | ・精緻な株価評価が見込める |
主なデメリット | |
同業他社 | ・交渉過程で情報流出の可能性有 ・金額について適正価格に落ち着きやすい |
---|---|
オーナー系 事業会社 |
・社風があうかどうか |
上場企業 | ・社内手続きに時間がかかる ・譲渡後に就業規則等ルールが厳格化される |
異業種 | ・譲渡後、長期間のフォローが必要 ・経営のミスマッチが起きやすい |
ファンド | ・譲渡後の永続的な経営? ・経常利益3千万以上がコンスタンスに見込める案件でないと難しい |
金額(対価) メリット | |
同業他社 | △ |
---|---|
オーナー系 事業会社 |
〇 |
上場企業 | △ |
異業種 | 〇 |
ファンド | 〇 |
成長可能性/ 将来性 | |
同業他社 | 〇 |
---|---|
オーナー系 事業会社 |
△ |
上場企業 | 〇 |
異業種 | △ |
ファンド | ? |
取引先/従業員の引継 | |
同業他社 | ◎ |
---|---|
オーナー系 事業会社 |
〇 |
上場企業 | 〇 |
異業種 | △ |
ファンド | 〇 |
Point2.候補先の数
候補先の質も重要ですが、数も重要です。
弊社では数十者、時には100者以上の候補先に提案を行います。
候補先数が少ないと譲渡オーナー様が比較・検討できないため、譲渡するメリットを最大化できません。
ただし、候補先への提案に際して注意が必要な点は秘密保持に留意しながら提案を行っていく点です。
そのため、特に同業種への提案の際には必ず秘密保持契約書の締結が必要になります。
Point3.候補先は自分が選ぶ
候補先よりトップ面談の希望があった際にはなるべく数多くの候補先と面談をしてください。
その中で自分の考え方、社風にあった候補先を選んで頂きたいと思います。
「選ばされるのではなく自分が選ぶ」ことが重要です。
まとめ
いかがでしょうか。
今回はM&A成功の方程式のSTEP4と5をご案内させて頂きました。
次回はSTEP6「譲渡条件、最終契約の決定」、STEP7「譲渡後の関わり方(PMI)」をご案内させて頂きます。
皆様の成功するM&Aを実現するために弊社は精神誠意、尽力いたします。
この記事の執筆者
新川 功雄(取締役副社長/M&Aシニアエキスパート)
早稲田大学卒。大手サービス会社、マーケティング会社、外資系企業に勤務。赤字債務超過の中小企業を経営し、黒字企業に立て直した後、自身の会社を事業譲渡して、2016年から現職。首都圏への進出、上場企業のM&A支援等を経験。
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