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ファンドに会社を譲渡する!?意外と知らない3つの重要ポイント

投稿日:2023年3月24日 最終更新日:

中堅・中小企業のなかでもM&Aへの理解が広がり、実際に検討されている経営者様も増えてきていますが、譲渡するお相手は事業会社だけではありません。
ファンドへ譲渡するという選択肢もあります。

今回はファンドに譲渡をするM&Aについてのメリットや、ファンドはどのような会社に投資をするのかをご紹介させていただきます。

ファンドとは?

M&Aにおけるファンドとは、広く投資家からお金を集め、企業に投資をする投資ファンドです。
中堅・中小企業の非上場株式を取得し、事業を承継して経営改善のため深く関与してくれるファンドはPEファンドと呼ばれます。
創業期に投資するベンチャーキャピタルとは違い、成長後期から成熟期の企業を買収するので、後継者不在の会社にとって譲受け相手の選択肢の一つとなります。

ビジネスモデルはシンプルに述べると
投資家からお金を集め、
成長しそう、経営に関与して成長させられそうな会社に投資し、
成長させて適切な会社に譲渡もしくは上場させて利益を投資家に配分する
というものです。

ファンドを活用するメリット

① 伸びしろや改善余地を評価してもらえる

組織体制や財務状況が悪いために伸び悩んでいる会社でも、ファンドが持っているノウハウやネットワークで改善ができる場合は、ファンドからの評価になりえます。

② 経営人材を外部から招聘できる

人材会社を通じて経営人材や成長に必要な最適人材を招聘することは、自社だけでは難しいのが現実です。

この「人」という分野でファンドは高い価値を発揮します。
ファンドがもつ幅広いコネクションに加え、ファンドが投資しているということが成長戦略の信用となり、外部から優秀な経営人材を招きやすくなります。

また、社内人材に後継者候補がいる場合も、ファンドが右腕となる人物を連れてきて、後継者候補を育てながら補佐をしてもらうということも考えられます。

③ 会社のカルチャーや特色を残すことができる

事業会社の子会社となる場合、事業方針や取引先、人事制度、目に見えない企業文化まで、親会社の方針に準拠するのが通常です。
ファンドは経営に関与して企業価値を高めることが本業なので、方針に従わせるといったことはありません。

ただし、一定期間後、株式の売却がなされる点には留意が必要です。

ファンドはどのような会社に投資するのか

① 伸びしろがある会社

非効率な部分が残っていて、経営に関与することで改善できる会社や、ファンドがもつネットワークを利用して成長することができる会社は投資対象になりやすいと考えられます。

また、現オーナーのワンマン経営がなされている会社で、「非属人化」「仕組み化」する余地がある会社も投資対象となります。

② 再編が盛んな業界の会社

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業界として高い成長性がないにしても、建設業や運送業のようにエリア拡大や業態拡大のためM&Aの譲受ニーズが多く、後継者不在など譲渡ニーズも多い業界の会社は投資対象となります。

ファンドが買収後、追加M&Aを行って業界再編を担っていくなど、譲渡の機会が多くなります。

③ 成長産業の会社

ファンドの業務の一つに「成長させる」ことがあるため、成長余力のある業界の会社は投資対象になりやすいといえます。

業種としてはヘルスケアやIT、人材業界などが成長産業に該当します。

まとめ

いかがでしょうか。
譲渡後のファンドは、手を取り合ってともに汗を流しながら経営していくパートナーとなります。
広く譲受け候補を探してきてくれるM&Aアドバイザーに相談することが大切です。
皆様の成功するM&Aを実現するために弊社も尽力しています。

この記事の執筆者

遠藤 航平(M&Aシニアエキスパート)

和歌山大学教育学部卒。地方銀行、高校教諭を経て当社へ入社。入社後、(株)日本M&Aセンターへ出向。銀行員時代に様々な業種の経営者と関わり、経営課題解決提案を行った経験をもとにM&A支援を行う。

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