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2022年最新版 人材派遣業界のM&A現況とチェックポイント【業種別M&A】

投稿日:2022年12月7日(水曜日)

人材派遣業においては、人手不足が大きな課題となっており、顧客や派遣人材獲得のためのM&Aが増加しています。
今回は人材派遣業界のM&Aについて現況とチェックポイントをご紹介させて頂きます。

人材派遣業界M&Aの現況

①人手不足

少子高齢化に伴う労働人口の減少により、人材派遣業界では慢性的な人手不足が深刻な課題となっています。
優秀な人材確保が難しくなったことで顧客企業の細かなニーズに対応できなくなり、事業の売却を選択する中小人材派遣会社が増加しています。

②盛んな法改正

2015年の法改正に伴い、労働派遣事業は全て許可制に統一され、「基準資産額が2,000万円×事業所数以上であること」などの許可要件を満たせない事業者は、廃業かM&Aによる事業売却を選択せざるを得ない状況となりました。

また、2020年には「同一労働同一賃金」が適用となり、人件費や人事制度の見直し等、受け入れ企業側の負担も大きくなっています。
近年、労働者保護の観点から規制強化が進んでおり、法改正の影響を受けやすい人材派遣業では今後もM&Aが増加していくと予想されます。

③厳しい事業環境

近年、マイナンバーをはじめとした個人情報の管理や、派遣社員のキャリアアップ支援等が求められるようになり、今まで以上に管理の手間とコストがかかるようになりました。
厳しい事業環境のなか、企業の生き残りや更なる成長のために、大手の傘下に入る中小人材派遣会社が増加しています。

また、人材派遣会社が人材派遣業以外の新たな収益を作るために異業種のM&Aを行うケースも増えています。

人材派遣業界のM&Aにおける重要チェックポイント

①専門性があるか

ここをチェック!!

人材不足が著しいなか、IT分野等の専門性の高い分野ではよりニーズが高く専門職に特化した人材派遣会社は人気があります。

どれだけ専門性のある人材を有しているかが非常に重要です。

②労働問題がないか

ここをチェック!!

未払保険料や未払い賃金などの簿外債務や、従業員や派遣スタッフとの間にトラブルはないでしょうか。

契約の際には、それらの問題がないことを担保する表明保証が盛り込まれることが一般的です。後で重大な問題が発覚した場合、訴訟に至るケースもありますので、事前にしっかりと確認し、開示する必要があります。

③「役員退職慰労金の金額」の設定

ここをチェック!!

人材派遣業の場合、M&A時の対価=「役員退職慰労金の金額」に注意が必要です。

派遣事業の許認可更新の際に、直前期のBSで「純資産が2,000万円×事業所数以上」であることが求められますので、役員退職金を取り過ぎると純資産要件である2,000万を割り込むことになり、事業継続に黄色信号が点灯します。

・ 純資産要件である2,000万を割り込まないように退職金額を設定する
・M&A後の純資産額が譲渡後の損益によってどの程度になるか許認可更新のタイミングを考えてシュミレーションする

上記のような対応が必要となります。

いかがでしょうか。

人材派遣業のM&Aは必ずチェックすべきポイントがあります。
人材派遣業界に精通していて、信頼できるアドバイザーに御相談下さい。

皆様の成功するM&Aを実現するために弊社も尽力しています。

この記事の執筆者

新川 功雄(取締役副社長/M&Aシニアエキスパート)

早稲田大学卒。大手サービス会社、マーケティング会社、外資系企業に勤務。赤字債務超過の中小企業を経営し、黒字企業に立て直した後、自身の会社を事業譲渡して、2016年から現職。首都圏への進出、上場企業のM&A支援等を経験。

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