M＆Aが一般的になり、新規事業の分野に進出するため、異業種のM＆Aを検討される企業様が増えています。
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異業種M&Aは失敗する？経営者が知らない異業種M&Aの成功術をご案内します
一方で、現在多角的に事業を経営されていらっしゃる企業様が「自社事業の売却」を要望されるケースも増えてきました。
今回のコラムでは、M＆Aを成功につなげるため、事業の売却を検討されている企業様に向けて、「自社事業の売却における最良のタイミング」をご案内させて頂きたいと思います。
ケース① Ｈ社（愛媛県・製造業）
複数事業を多角的に展開されているA社様の本業は製造業ではなく販売業でした。
また、A社様の本社は車で3時間かかる他県にありました。
会社運営を行う上で、従業員との定期的なコミュニケーションは必須です。
ただ、Ａ社様と事業所在地の距離は遠く、1週間に1度の訪問が限界でした。
そのため、遠隔の企業様ではなく、事業所在地近隣の企業様に譲渡を希望されました。
Ａ社様の場合、遠隔地での管理に限界があることから事業の売却を決断されました。
訪問以外にZoomなどオンラインでの運営管理を試して頂いた上で、改善が図れないようであれば事業内容に問題がないタイミングで事業売却のご決断を頂きたいと思います。
事業内容が悪い状況では自分が希望する金額での譲渡が難しくなります。
ケース② Ｂ社（岡山県・製造業）
Ｂ社様は製造部門と卸売部門の2部門をお持ちの企業様です。
製造部門はユニークな技術、製品を製造しており、今後も安定的な需要が見込める部門でした。
ただ、Ｂ社様の製造部門の管理者が高齢となり自社内で引き継げる担当者が見当たらないことから、事業の売却を決断されました。
Ｂ社様の場合、製造部門の将来的な後継者候補が自社におらず、また現状の管理者が高齢で将来の事業運営を考えると事業の売却を早期に行う必要がありました。
技術の承継には時間がかかります。
自社事業の管理者が高齢の場合には、まず社内で後継できる若手社員がいないかどうか、外部から招聘できないかどうかをご検討頂きたいと思います。
自社の事業管理者が60歳を超えたタイミングは事業売却を検討する一つのタイミングです。
ケース③ S社（香川県・運送業）
S社様は30代の若い社長様が家業を譲り受け事業運営している企業様でした。
後継した際には債務超過、赤字であった自社もその後の経営が順調で債務超過が解消され黒字の状況になっていました。
ところが、親族内で裁判等様々なトラブルがあり、運送業における将来の夢を描けなかったことから、他社へ運送事業の売却を決断されました。
S社様の場合、経営が順調で一見すると何も問題がありませんでした。
ただ、運送業を取り巻く環境は厳しく、長時間労働の抑制、事故リスク等を考えると、地域の中小企業が単独で夢を描くには難しい状況でした。
周囲の税理士・弁護士を含む専門家は事業継続をＳ社の社長様に打診されましたが、社長様は夢を描けるお相手に託すことを望まれ売却を実行されました。
企業が存続するために夢を描けなくなってしまうと企業の成長はありません。
自社事業の売却を検討するひとつのタイミングです。
ケース④ K社（香川県・飲食業）
K社様は複数事業を運営されている企業様でした。
複数業態がある中ですべての事業体が黒字で非常に素晴らしい経営をされていましたが、M＆Aで
新規事業を買収され、その事業へ経営資源を集中させるために飲食業の売却を決断されました。
社長だけではなく顧問税理士の先生と時間をかけて、「本当に事業を売却する必要があるのか？」をじっくりご検討して頂いた中で「事業の選択と集中」、御自身が生涯をかけて注力したい事業はM＆Aで買収した新規事業であるという決断をされ、売却を実行されました。
複数事業を経営するためには部署間の異動が容易ではなく、経営資源が分散されることに課題があります。
黒字であっても「事業の選択と集中」を行いたい場合は、自社事業の売却を検討することも自社をさらに成長させるための解決手段のひとつと考えています。
まとめ
いかがでしょうか？
以下のような場合にはM＆Aアドバイザーに御相談いただくことをお勧めいたします。
運営管理に課題がある
事業部門の後継候補がいない
事業の夢を託す
相手を見つけたい
「M＆Aを成功に導く」ために弊社が皆様のアドバイザーとして、皆様の成功のお手伝いが出来ますことを楽しみにしております。
この記事の執筆者
新川 功雄（取締役副社長/M&Aシニアエキスパート）
早稲田大学卒。大手サービス会社、マーケティング会社、外資系企業に勤務。赤字債務超過の中小企業を経営し、黒字企業に立て直した後、自身の会社を事業譲渡して、2016年から現職。首都圏への進出、上場企業のM&A支援等を経験。
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